さあ更に妄想推理は続きます。
「ミサルを殺害したのはエルフの古くからの友人であったドワーフであり、そのドワーフ達は"Forbidden Ones"と結託したテヴィンター・マジスターに唆されていた。背後の動機は、対立する創造主達(Creators)の弱体化である」
……ええとここで目がくらんだ人、腹が立った人はお帰り下さい。お疲れ様でした。
エルフの創造主達(Creators)は決して神ではなく、高い知性を持った強力なメイジで、多数の奴隷を従えていました。また彼らは自由にドラゴンの形に変身出来たとされています。
ミサル(=フレメス)はかつて「裏切られ、殺害された」Creatorsの一員であり、そのことを深く恨みに思っていることが伺えます。

「あたしは裏切られた。ミサルは裏切られた。世界全てが裏切られた。ミサルは爪で掻き毟り地を這いずり、ようやくあたしのところへ来た、だからあたしは彼女に復讐させてやる!……そうさ、音楽が流れる間は、踊らなきゃね」
ミサルの神殿はアンドラステの聖灰寺院の真下にあり、そこは同時にデュマートの祭殿でもあります。逆廻し再生された音声ファイルから、ミサルがデュマートであることが推定されました。さらに他のCreatorsについても、古代テヴィンター人が信仰の対象としたOld Godsと同じ集団であることが示唆されています。

聖灰寺院にあるミサルのモザイク画
ところで、古代エルフ史においてCreatorsと"The Forgotten Ones"は対立関係にありました。それぞれに従う者全てを巻き込んだ長い争いの後で、彼らは全てフェン・ハラルによって封じられました。Creatorsは地底に、Forgotten Onesは天(フェイド)に封じ込められたと見るのが妥当でしょう。
#そうでないと地下を掘り掘りしているダーク・スポーンがOld Godsにたどり着けません。
Creators(Old Gods)はCalling、歌でテイントを持つ者に呼びかけ、一方Forgotten Onesはフェイドから夢の世界を通じてメイジに呼びかけることが出来るようです。
この時代、古代エルフはヒューマンよりも先に古のドワーフ帝国と交渉がありました。かつて地底全域を支配していたドワーフ帝国とテヴィンター帝国が同盟を結んだのは、その更に後の時代です。
テヴィンター人の祖先はネロメニア族で、彼らの内のドリーマー(フェイドとの親和性の高いメイジ)がOld Godsからの囁きに従って、魔法の使い方を学んだと伝えられています。
この力でドリーマーは一族の神官となり、ネロメニア族をヒューマンの中でも卓越した地位に押し上げました。彼らはOld Godsを信仰しそれぞれの神殿を建立しました。
おっと。レガシーでコリちゃんが封じられていた塔にあるのも、デュマートを祭る祭壇ですね。彼もまた、かつてはデュマートの神官長でした。
それから約1200年後、テヴィンター(当時はまだ王国)においてOld Godsのデュマートを信仰する第一神官に、"The Forbidden Ones"のいずれかが接触しブラッド・マジックを伝えました。
#ええと、ここは「ブラッドマジックを伝えたのはOld Godsだよ」(ジェニティヴィさん説)と、「Forbidden Onesが教えたんだよ」(DA2エニグマ説)の二つがあるんですが、具体的に名前の上がっている後者とします。
Forbitten Onesとはテヴィンターの伝承にある、強力かつユニークなディーモン(Xebenkeck, Imshael, Gaxkang the Unbound, The Formless One)です。
DA2でエニグマを解読すると得られるCodexを読む限り、Forbitten OnesはエルフのForgotten Onesと同じ集団であると推測されます。
#同じことを考えた人がいました。
Old GodsがCreatorsであり、Forbitten OnesがForgotten Onesであると仮定する場合、この対立する両者が共にヒューマンに接触してきたのは偶然ではないでしょう。恐らく激化する両者の争いに対して協力者、あるいはさらなる奴隷を求めてのことと思われます。
さらにデュマートがミサルであると仮定するなら、そのデュマートの第一神官を狙ってForbitten Onesが接触したのも、もちろん偶然ではありません。本当の狙いはミサルです。
しかしこの第一神官、最初のテヴィンター・マジスターが直接ミサルを殺害したのなら、何しろテヴィンター帝国は今も存続している訳ですから、何らかの記録が残っていてもおかしくは有りません。しかし現実は記録が無いどころか、ミサルが殺害されたという事実さえ伝わっていませんでした。
#ドリアンの態度からも、テヴィンター人が非常に書物や文書を大切に扱うことが伺えます。コリフィアスの本名(Sethius of House Amladaris)についても、ちゃんと記録が残っていました。
この接触の更に400年後、ドワーフ帝国と同盟を結んだテヴィンター王国は残る一つの王国を併合し、大テヴィンター帝国となります(TE歴0年)。
テヴィンターの黄金時代で、テダス南部へと勢力拡張を続けるうちにエルフとの抗争が激化します。ついに激烈な戦争となり、アーラサン陥落に続くエルフの敗北で終結します。これがTE歴220年。
#アーラサンで本当は何があったのか、についてはVanity様のこちらの記事をどうぞ。ふーむ……。ここではあくまで地上の出来事のみを扱います。
フェン・ハラルがCreators/Forgotten Onesを封じ込めたのがいつかは判りませんが、ヒューマンとの戦争が激化する以前と考えるのが妥当でしょう。ミサルの殺害は更にそれ以前です。その後で、フェン・ハラルは一旦安息の眠り(ウーテネーラ)に着きました。
元に戻って、ではミサルを殺害したのは誰でしょうか。彼女が深く恨み、ついにはアーチ・ディーモンに変化してまで復讐を為そうとしたのは?
#対立する他のCreatorsが殺害したという説は、ならばフェン・ハラルが彼らを封じ込めた時点で復讐が終わる、という点から棄却出来ます。
もっとも簡単な結論として、第一次ブライトの最大の被害者、つまりドワーフが上げられます。
当時ドワーフ帝国はテヴィンター帝国と、実に現代まで続く同盟関係を結び、地上からは食料品、地下からはリリウムを始めとする鉱物資源に各種宝物と、盛んな通商があったと伝えられています。ドワーフ帝国はそのために、地表との通商に便利なオーズマーへ遷都したくらいです。
古くからの友人ではあるが内戦続きで落ち目のエルフを見限り、威勢盛んなテヴィンター帝国に乗り換えようとドワーフが思ったとしても不思議ではありません。TE0年〜220年のいずれかの時点で、ドワーフがミサルを殺害したのでは無いでしょうか。
そしてTE800年に始まった第一次ブライトによって地底回廊は分断され、孤立した王国とタイグを残して、ドワーフ帝国は壊滅しました。同時に"Great Betrayal"、エルフへの背反行動に関する記録も消滅したとしてもおかしくはありません。あるいは、最初からそんな記録など無かったのかも。
#サンダル曰く"The Old Lady is scary. She has a scary laugh"これは復讐に燃えるミサルの笑い声だったのでは?
結論。
ミサルを殺害したのはエルフの古くからの友人であったドワーフであり、そのドワーフ達は、Forbidden Onesと結託したテヴィンター・マジスターに唆されていました。背後の動機はもちろん対立するCreatorsの弱体化です。その後Creatorsはさらなる内戦に陥り、フェン・ハラルによって両者が封じられました。
ところで、DAシリーズで主人公がForbitten Onesをそれぞれ一体ずつ倒しているのは単なる偶然でしょうか?フレメスが、彼らにそうすることを期待して助けたと考えるのは穿ちすぎ?
"World of Thedas"からテヴィンター/エルフ中心に抜粋してみました。デュマートと戦うためにテヴィンターの神官達がOld Godsに祈りを捧げても助けを得られなかったというのは、彼らは600年以上も前に封じられた後だったからですね。
-6404TE(テヴィンター歴)
伝説上の古代エルフの都市、アーラサンが建立される。
-3405TE
この頃、古代エルフが始めてドワーフと接触したとされる。
-1905TE
Neromenia一族として知られるヒューマンがテダスに現れる。
-1655TE
古代エルフが始めて「生き急ぐ者」ヒューマンと接触。彼らは不死性を失う事に気付き接触を避けた、と伝説では語られる。
-1605TE
"The Old Gods"がゴールデン・シティからヒューマンに囁きかけ、ネロメニア(Neromenia)一族のドリーマー達に魔法を教える。このドリーマー達が神官となり、一族を支配する。
#後にネロメニア一族は分裂し、テヴィンター、カリナス、ネロメニア、バリダスの4王国となります。
-400TE
Thalsian(デュマートの第一神官)が"Forbidden Ones"からブラッド・マジックを習得し、最初のマジスターとなる。
-5TE
テヴィンター・マジスターのDariniusがドワーフ帝国との同盟を結び、"Provings"(ドワーフ戦士同士の決闘)がテヴィンター貴族の間で人気となる。ミンラサスに大決闘場が作られる。
0 TE
Dariniusがテヴィンターとカリナス(共に小王国)を統一し、大テヴィンター帝国を創立する。
214TE
テヴィンター帝国とエルフ国との摩擦がついに戦争となり、テヴィンターの軍勢がアーラサンを包囲する。
220TE
アーラサン及びエルフ国の消滅。
300TE
テヴィンター帝国が急速に拡大し、ウェイクニング海まで到達。
800TE
チャントリーの語るところによれば、この頃もっとも強力なマジスター達がゴールデン・シティに侵入した。結果、ゴールデン・シティは穢され、マジスター達はテイントを帯びて現世に戻され、原初のダーク・スポーンとなった。
デュマートが解放され、最初のアーチ・ディーモンとなってブライトが始まった。地底回廊に無数のダーク・スポーンが溢れ、ドワーフ帝国を襲った。
815TE
ドワーフ帝国が崩壊し始め、ダーク・スポーンが地底回廊を使ってテダス大陸(地上)全域に現れた。テヴィンター帝国は大混乱に陥ったが、踏みとどまりやがて反撃を開始した。
人々はデュマートに対抗すべく他のOld Godsに助けを求め祈ったが、沈黙が返ってくるだけであった。人々は裏切られたと感じOld Godsへの信仰は途絶えた。
840TE
ブライトが(現フェラルデン北部の)アラマリ荒野に到達。
890TE
グレイ・ウォーデンがアンダーフェルスのワイスホプト砦で結成される。
992TE
ヒューマンの軍勢を従えたグレイ・ウォーデンが沈黙の平原にてデュマートと戦闘。デュマートが倒されたことによりダーク・スポーンは逃散する。
992TE
現フェラルデン、当時はテヴィンター帝国辺境の漁村デネリムにおいてアンドラステが誕生。